Our Love ①曇天

2012.09.30 10:25|Our Love
OurLove.jpg

(RyeoWook side)

―――雨、降りそうだな。

壁に描かれた青空の壁紙の、対面のブラインドの隙間から窓の外を見て思う。

窓の下に集まっている出待ちのファンや行きかう人が汗をぬぐうのを見て、曇っているのに気温は高いのだろうと推測する。

湿度も相当あるのかもしれない。

―――降って少し涼しくなればいいのに。

気温・湿度共にコントロールされた部屋の中では、外の様子などどうでもいいかのように、思い思いの格好で練習再開まで休憩を取るメンバーが居た。

シンドンとウニョクが二人でしきりに何かを話している。

演出の方向性がまだ決まりきっていないようだ。

まだ暫くかかるだろう。

行儀悪くも机の上に腰掛けて、手元のMP3を操作して番組で歌わなければいけない音源を探し出す。

早々にシンドン・ウニョクというカードを使ってしまったから、次はそれ以上のパフォーマンスを求められるだろう。

歌唱力というよりは、選曲の次点で大分点数が決まってしまうものなのかも知れない。

あとはアレンジだけど、それも一流のプロの手を借りるのだから自分の出来る事なんてほんの一握りだ。

目の前にイェソンが立っていてこっちを見て何かを言ったようだったから、あわててイヤホンを外し「何?」と聞いてみる。



「次の曲か?」

「うん。」



僕の手から片方のイヤホンをもぎ取り耳に当てる。『ピアノの曲だな。』と言った。



「うん・・・次は弾き語りしようかと思って。」

「自分でか!」



うん、自分で弾くから弾き語りっていうんですよ? 

っていうか・・・誰に頼めと言うのだろう。

イトゥク?ドンヘ?ソンミン?



「これ以上SJカード使ったら、一人じゃ何も出来ないって言ってるようなもんだから。」



そう言うとニヤッとわらってあの小さな手でポンポンと頭を撫でて行ってしまう。


―――がんばれよってことなんだろうけど・・・。



よくわかんない言葉は口走るくせに、肝心なところで言葉が足りないと思うのは僕だけなんだろうか。

まるっとした頭と比較的狭い肩幅のその後姿を見つめていると

携帯を弄っていたキュヒョンと目が合いニヤッと笑われる。



―――あぁ、そうだよ。好む好まないに係わらず、否が応でも兄さんに振り回されてるよ。



むっとしてイヤホンを押し込み、プレイヤーを見ているといつの間にか傍にやってきて、隣に座ったキュヒョンに、入れたばかりの片方のイヤホンを取られていた。



「もう一回初めから。」


そう言われ、黙って操作をする。



「ふーん。リョウクの声に合ってるな。」

「・・・ありがとう。・・・誰かさんたちがハードル上げるだけ上げてくれてるから・・・優勝して当然って雰囲気にグループ内がなっていて迷惑なんだけど。」



一応礼は言うものの・・・兄さんに言ってほしかった言葉をキュヒョンが口にしたものだから、思わず憎たらしい口を利くが、僕のそんな言葉で動揺するようなブラックマンネではなくて・・・見間違いであってほしいと願いたくなるほど・・・むしろ嬉しそうな笑みを浮べていた。



「負けず嫌いなのは知ってるって。優勝以外ありえないっしょ?」



さらにハードルを上げてくる。

短くため息をついて窓の外を見ると、横から白い手がにゅっと手が伸びてきて長い指でブラインドの隙間を広げる。

キュヒョンに窓際に追い詰められたような格好になっていた。



「・・・雨降りそうだな。」



耳元で響くキュヒョンの声に『うん』と答えて、そういえば・・・と思い至る。

キュヒョンのケガの痕は、こういう天気の時疼いたりしないのだろうか?

その思いをそのまま口にすると片方の口角を上げてニヤッ笑った。



「人をどっかのハラボジみたいに言うなって。」


そう言って僕の頬をつまんだ。


―――・・・痛い。


「カジャ・・・ってマンネライン何してるの!?」



頬を摘まれたままキュヒョンの後方に目を向けると、なんだか嬉しそうなイトゥク達と目を見開いているソンミン・イェソンが居た。



―――・・・ソンミン兄さんには・・・今夜のラジオの時、弁解しなくっちゃ・・・。



なんだか一気に室内の温度まで上がったように感じ、不快指数85%だなと思う。




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Comment

No title

ラストの言葉が最高です。
そうですよね、ミン君にはちゃんと弁解しておかないとね。

イェウク…いいですよね。
昨日はしっかり生で堪能してきました。

Re: No title

> ラストの言葉が最高です。

ありがとうございます。
ウクちゃんは意外と冷静だというキャラ設定で。
兄さんには弁解も言い訳もしないという・・・。

> そうですよね、ミン君にはちゃんと弁解しておかないとね。

はい、彼はあとが厄介そうです。
あ、私の中でのイメージです。
きっちりしている人は、自分にも他人にも厳しいです。
そして、質の悪いことに・・・覚えてるんですよねぇ。

> イェウク…いいですよね。
> 昨日はしっかり生で堪能してきました。

何がこんなに好きなのかがわかりません。
不朽・・・を見ながら泣いている私、怖いな。

はぁ・・・いいな。生KRY。
神戸行きたいなぁ・・・泣けてきます。

そう言えば……

ギュったんは、そうでしたねぇ~。スジュを好きになった頃は、もぉ、すっかりそりゃ、元気に毒舌ブラックマンネ全開だったので、遅ればせながら、後になって、生きててくれてありがとう!唄っててくれてありがとう!と思ったものでした。

チームも色~んな事があっての今なんだろうなぁ~と……あんまり、詳しいプライベートまでは、逆に知る必要はないな~と常日頃思ってるのですが、好きなように勝手に想像してた方が、楽しいし(笑)アイドルって、それでいいんじゃないかなぁ~って思ってます(≧▽≦)
けど、歴史をチームの絆として感じるのは好きです(//∇//)

このお話しは~ヘビロテからは外れてたなぁ( ̄0 ̄;久しぶりに読んだら、新鮮だ!⬅いや、好きなのばっかりに行きたくなるから~(何の言い訳だ!)

王道CPでしたよねぇ~諸々が。確か?
仄かな焼きもちとギュったんのいたずらっこな感じが可愛いなぁ~で、尻拭いはウクちゃん(笑)

うん、湿度は上がったよね、確実に(笑)

よし、楽しみに読むぞぉ~(≧▽≦)

ぎゅったんLOVE

> ギュったんは、そうでしたねぇ~。スジュを好きになった頃は、もぉ、すっかりそりゃ、元気に毒舌ブラックマンネ全開だったので、遅ればせながら、後になって、生きててくれてありがとう!唄っててくれてありがとう!と思ったものでした。

うん、だよね。
あの声・・・いえ、もうギュったんが好き過ぎます。

> チームも色~んな事があっての今なんだろうなぁ~と……あんまり、詳しいプライベートまでは、逆に知る必要はないな~と常日頃思ってるのですが、好きなように勝手に想像してた方が、楽しいし(笑)アイドルって、それでいいんじゃないかなぁ~って思ってます(≧▽≦)
> けど、歴史をチームの絆として感じるのは好きです(//∇//)

うん、プライベートはどうでもいいんだよねぇ。
ま、垣間見えるエピソードからキャラが出るとおもうから、メンバーの雑談の中でそんな話が出てくるのは好きだなぁ。

> このお話しは~ヘビロテからは外れてたなぁ( ̄0 ̄;久しぶりに読んだら、新鮮だ!⬅いや、好きなのばっかりに行きたくなるから~(何の言い訳だ!)

ヘビロテはどちらをお訪ねいただいているのでしょうか(笑)

> 王道CPでしたよねぇ~諸々が。確か?
> 仄かな焼きもちとギュったんのいたずらっこな感じが可愛いなぁ~で、尻拭いはウクちゃん(笑)

尻ぬぐいww
取り繕うのがたいへんだよねぇ。
ってか、うくちゃんは、もう何してもカワイイ。
太ってお顔がアンパンマンになってもカワイイ。

> うん、湿度は上がったよね、確実に(笑)
> よし、楽しみに読むぞぉ~(≧▽≦)

わーい!ありがとうございまーす!!
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ぶひひ

Author:ぶひひ
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FF、SJ中心で・・・BL取り扱いです。

CPはイェウクを中心に・・・83はもちろん、2woon ウンシヘ マンネラインまでほぼ全てに萌える○態です。
まぁ"みんな違って みんないい”ってことで。

*作者の脳内でのお話ですので、当然事実と異なります。事実も都合のいいように解釈し捻じ曲げ、誇張します。苦手な方、取り扱い注意です。

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