OurLove⑤ペーパードリップ

2012.10.02 21:39|Our Love
OurLove.jpg

(LeeTeuk side)

―――・・・喉が渇いた。

時計を見るとかれこれ4時間ピアノの前に座っていた事になる。

両手を上げて伸びをすると凝り固まっていた肩の筋肉が悲鳴をあげ、首を傾けるとコキッと小気味いい音が鳴った。

あんまりやると弟達からハラボジって言われるけど、気持ちいいんだから仕方がないじゃないか。

立ち上がって腰も伸ばす・・・もうすぐ出来なくなると思ったら、時間を惜しんでピアノに向う自分がいて、こんなにも音楽を愛していたんだって今更ながら気が付く。

そういえばカンインが一番恋しかったのは“歌”だと言っていたっけ。

飲み物を取りに部屋を出ると、リビングのソファーでくつろいでいるヒチョルがいた。



「お、居たのか。」

「うん。お帰り。」



『ん』と帰ってきた返事に何か飲むかと問うと、また『ん』と帰ってきた。

言葉を惜しむほどその番組が面白いのか・・・それとも言葉を発するのも億劫なほど疲れているのか。

チラッと視線を投げてその表情を読み取ろうと試みるが、すぐにでもこちらの様子に気付き『なんだよ』といい出しかねないので止める事にする。

いつもの様にインスタントコーヒーを取り出したものの、なんとなく気が変わり棚の奥にしまってあるリョウクが買ってきているコーヒー豆を取り出す。

ペーパードリップの入れ方が書いてある紙がハラリと落ちた。

ペーパードリップか・・・そういえば人数が少ないときそうやって入れてたっけ?

お湯をわかしながら道具を探し出し、ペーパードリップをセットして豆を2杯入れる。

お湯を注ぐと立ち上る香りとモコモコと泡が上がってきた。

―――なるほど・・・確かに、面白い。

あの繊細な弟は、きっとこの過程に癒されているのだろう。

コーヒーメーカーやエスプレッソマシンでは分らない状況変化と時間の流れが、贅沢な事をしている気分にさせ何ともいえないリラックス効果がある。



「はい。」



カップを手にヒチョルのもとへ行き、手渡してその横にしゃがむ。



「ん。」



視線は画面に固定されたまま、受け取ったカップに口を付け、『薄い』と言った。

―――不味いとは言わないんだね。・・・丸くなったね。



「え?ホントに?・・・お湯の量間違えたかな。」



口に含むと・・・香りはいいものの・・・お世辞にもアメリカン・・・などとは言えない。



「・・・ごめん、入れなおそうか?」

「いや、いい。」



苦いの苦手だもんね?

でも・・・飲めたものじゃないよ?

他のメンバーはと聞かれ、皆の行き先を告げる。



「ドンヘは?」

「うーん・・・暫く俺の後ろでゴロゴロしてたんだけど、構ってやらなかったら出て行っちゃった・・・。下?・・・ソンミンの所かな?」



自分が聞いたくせにふーんとポケットから取り出した携帯を弄りだした。

『で、誰に託していくんだ。』と聞かれた。

離れていてもやっぱり気なるグループやメンバーの事。

もう、子供じゃないから大丈夫なんだけど、そこはリーダー代理を決めておかないとね?

歌組・ドラマ組は安定しているし・・・ミンウクのラジオも好評だ。

バラエティ班は安定した二人がいるし、心強いことにカンインがいる。

・・・俺の穴はヨンウンが埋めてくれるだろう。



「うーん・・・取りあえずイェソンかな。実質カンインが引っ張っていくんだろうけど。もちろん、ヒチョルが戻ったらヒチョルになるよ?・・・カンインと揉めないでね?怖くて誰も間に入れないから。」



『子どもじゃねーし、揉めるかよ。』そういって噴出しながらも、目線は携帯に固定だ。



「ねぇ、・・・何が一番恋しい?」



唐突に切り出すと手を止めて顔を上げた。

無言のまま猫のような形のいい大きな瞳に捕らえられ、拙い事を聞いたようだなと

・・・どうやって回避しようかと頭を巡らせかけていると、片方だけ口角がつりあがった。



「無い。カンインとは違って、俺、自由だから。ま、昔からだけど。」



まぁ・・・たしかにね。

良くも悪くも自由だもんね・・・。

怒らせるんじゃないかと思っていたから、帰ってきた返答に気付かれないように安堵のため息を漏らすと『あ、1つだけあったわ。』と突き出された携帯。



“・・・ブルーのライトに照らされた中で、『もう3年になりますね』と発言し涙ぐんだ・・・”と書かれた記事。

―――ホントに・・・そんなになるのか。ハラボジになる前に戻ってくれないと困るよ。

薄い茶色の液体が、なぜかしょっぱくなった。


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Comment

カンインが…

恋しかったのは「トゥギヒョン」と答えたペンからの質問を想い出しました。
すみませんカントゥクペンなもので。

トゥギは軍隊でもリーダーシップを発揮しているようですね。
でも、やっぱりメンバーのこと、考えているんでしょうね。
メンバーも。

ヒチョルが帰ってきたらきっとカンイン、ヒチョルに甘えると勝手に思ってます。
そんなカンインをヒチョルも可愛がって、トゥギが嫉妬していたらもっと面白いんですが…。

そんな話、いかがでしょうか?

Re: カンインが…

> 恋しかったのは「トゥギヒョン」と答えたペンからの質問を想い出しました。
> すみませんカントゥクペンなもので。

ですよねー。あのくだりはたまりませんよね。
1位歌 2位がトゥギヒョン 3位ELFっていうのを何かで読んだ気がして。
そっから膨らんだ妄想です。
83の絡みなので、そこはスルー・・・っていうか自分で言うのが小っ恥ずかしいってとこですかね?
大事な人は心の中にしまってある2人です。
基本、ラブラブイチャイチャが書けないみたいです、私。


> ヒチョルが帰ってきたらきっとカンイン、ヒチョルに甘えると勝手に思ってます。
> そんなカンインをヒチョルも可愛がって、トゥギが嫉妬していたらもっと面白いんですが…。
>
> そんな話、いかがでしょうか?


ヒチョルが・・・甘える?!
その発想がなくって、今微妙に震えてます。
うん、何かの動画でベッドに座るカンインに凭れてるの見た・・・。
親友ノートでウニョクに腕枕されてるのも見た。
腕枕する方じゃないんだって、TVの前で目が飛び出したよ・・・。

書けるかな・・・unyaさんが言ってたことから
膨らんだら・・・ってことで・・・いいっすか?

いつになるか分かんないけど。
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FF、SJ中心で・・・BL取り扱いです。

CPはイェウクを中心に・・・83はもちろん、2woon ウンシヘ マンネラインまでほぼ全てに萌える○態です。
まぁ"みんな違って みんないい”ってことで。

*作者の脳内でのお話ですので、当然事実と異なります。事実も都合のいいように解釈し捻じ曲げ、誇張します。苦手な方、取り扱い注意です。

紙媒体化はじめました。(カテゴリ『はじめに』・・・より『本棚』へどうぞ)

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